面白いとか、ドキドキするとか、
懐かしいとか、怖いとか…。
いろんなデジタルデバイスを通して
お客様とアナログな楽しさを共有したい。
そんな想いが
アルテピアッツァ株式会社の原動力です。
空の雲の形が気に入ったり、喫茶店のごく普通のガラス灰皿が、妙に不思議な光を反射していたりした時、ふとスケッチしておくことがあります。
スケッチブックがあれば最高ですが、時には雑誌の余白だったり、ナプキンの裏だったり……。
書き留めた落書きは、やがてイメージの羽を伸ばし始めます。
雲は仙人のたっぷりとたくわえられた髭になり、ガラスの灰皿が妖精の城の玉座を飾ったりします。無限に広がる天界も、魑魅魍魎のさまよう闇の世界も、冒険の旅で出会う不思議な人々も、日々の暮らしの中で私たちの心に響いたものを描き留めた、こんなスケッチから生み出されてゆきます。
重そうに見えた石が実はよくできたプラスティック製のイミテーションで、拍子抜けするほど軽かった……。
そんな経験はありませんか?
人間は無意識のうちに対象の特徴を観察し、どのようなものかを推測します。そして、その感覚に合わせて行動を起こすといいます。このくらいの大きさの石なら、このくらいの重さだろう……。
その予想が外れると、冒頭のような事態になるわけです。
ゲームのビジュアルデザインにおいてこれは重要なポイントです。
重いものはなぜ重そうに見えるのか、その原点に回帰することで情報は整理され、より強い、より理解しやすい表現になるのです。
あなたの故郷はどこですか?
私たちが、まだ見ぬ未知の世界を描くとき大切にしたいのは、そこも誰かのかけがえのない故郷であるということ。そして、冒険者であるあなたの「もうひとつの故郷」であるということです。迫る魔の手からこの町を守りたい。旅を終えたら必ずここへ帰ってこよう!
その思いが、冒険をさらに心に残るものにしてくれるのではないでしょうか。デジタルゲームの世界では、色も形も、言ってしまえば数値の集合にすぎません。その無機質な数値の世界を、面白いアイディアと技術で、かけがえのない故郷にまで高める努力、苦しみと達成感。
ゲームデザイナーにとっての醍醐味はまさに、
そこにあります。
眞島真太郎
(代表取締役 アートディレクター/
プロデューサー)
「デジタルに発する、アナログなもの。」
というのが、アルテピアッツァのテーマだという。
そういえばボクが思う眞島くんのイメージはアナログそのものだ。会議に持ってくるのは、PDAでもノートPCでもなく、スケッチブックとペンだ。
ボクがイメージを伝えると、彼はその場でスケッチを描いて見せる。そして、そのスケッチを見ながら、お互いのイメージをすり合わせしてゆく。それがやがて実際のゲーム画面に現れてくるわけだが、なるほど、スケッチの通りである。
「CG」という画一的なイメージに感じられがちな世界で、アナログな個性を発揮している眞島くんの絵は、お気に入りのひとつである。
堀井雄二
(作家/ゲームデザイナー)
('-2004年 ArtePiazza会社案内 寄稿-)